新橋駅から“ゆりかもめ”で15分、東京の新しいデートスポットお台場に2000年4月にオープンした“アクアシティお台場”。そこに隣接するソニーが経営する施設“メディアージュ”にはオープン以来、多くのカップルが訪れている。その中に併設されているのが東宝が直営するシネマコンプレックス『シネマメディアージュ』だ。お台場海浜公園に面しているコチラの施設には深夜まで営業しているレストラン等の飲食店やアパレルショップ、雑貨店などが入っており、正に1日中楽しめるエンターテインメントセンターとなっている。今まで数多くの劇場を有する東宝が初めてシネコン事業に着手した事でオープン当時から話題になっていたが「やはり、初めての試みだったので全てがイチからのスタートでした。お台場という場所が果たして映画ファンに受け入れられるのか?お客様の獲得のために何をしていこうか、というのが一番の課題でした。」と語ってくれたのは支配人の小早川靖典氏だ。 |
「おかげさまでカップルで来られる方が他所のシネコンと違い圧倒的に多く、土日祝日とオールナイト興行は強いですね。その分、オフィス街から離れているせいで平日、会社帰りに来られるお客様が少ないのです。今後はリピーターの方や平日の集客をいかに増やしていくかが大きな課題ですね。」コチラの劇場は前述の小早川氏の言葉通り、シネコンとしては珍しく毎週土曜日オールナイトを実施しているのが大きな特長だ。併設されている朝まで営業している飲食店が多い事とコチラの客層が丁度オールナイトで遊んで楽しむ世代の方が多かった事がオールナイト興行の集客数に結び付いている。“オーシャンズ11”の先行オールナイトにしても全国で上位にランクされる入場者数を記録している程だ。お台場という場所柄か全体の7割以上を20代半ばから30代にかけてのカップルが占めており当然、上映作品もファミリー向けの映画や芸術志向の強い作品よりもハリウッドメジャーの大作・話題作が中心となっている。 |
「お台場という場所は、仕事帰りに寄って行こうという場所ではないのでお台場に行ってまで観たい映画がある…と思っていただけるために最近では上映の終了したミニシアター系の作品や昔の作品を少しずつですが上映するようにしています。」これも13スクリーンという都内最大級の規模を誇る劇場だからこそ成せるプログラムなのだろう。チケットは全てが座席指定となっており入場券を購入してしまえば上映開始ギリギリまで並ぶ必要がないので思いっ切り遊んでいられるのがウレシイ。ロビーは6階まで吹き抜けの開放感溢れるアトリウムとなっており、高さ40メートルに位置するガラス張りの天面からは昼間は自然光が充分に取り入れられる。1階部分がコンセッションとシアターの入口となっており、2階へ上がるとプレミアラウンジの専用入口がある。コチラのウリの一つカップル向けのスーパープレミアシート(二人用のベンチタイプの座席)は“シアター1”に設けている。この座席は12組分しかないので、休日はアッという間に売り切れてしまう程カップルに大人気の正にプレミア席だ。通常の座席よりもゆったりと設計されているプレミアシートも是非、体験していただきたい。“シアター1”はシネコンとしては最大の612席を有している大劇場なので大作を観るには最高のシチュエーションだ。 |
場内は全てスタジアム形式となっているから映画鑑賞に最適で最前列に座ってもスクリーンと座席の間が通常の劇場に比べ座席一列分後ろに下がっているおかげで鑑賞し易く、映画の迫力を満喫したいという方にはオススメしたい。そして『シネマメディアージュ』最大のウリは何と言っても音響の良さ。東宝とソニーが共同で作り上げた劇場だけに音響についてはソニーの技術力が結集されているのだ。劇場内は音の反響を計算に入れて設計しているだけではなく遮音性能はコンサートホールの基準値を超えるレベルにまで達しており、最高の音響と臨場感を満喫できるだろう。 コチラのサービスとしては映画ファン感謝デー、レディスデー、シニア割引などに加え通常のシネコンに比べて1時間ほど早い夜8時以降のレイトショウ割引がある。これは“ゆりかもめ”の終電が11時30分であるために終了時間を11時までにしないとお客様が帰ることが出来なくなるからだ。13スクリーンという強みを最大限に活かして「お台場に行けば必ず観たい映画がやっている。と思って足を運んでいただけたらウレシイですね。」と語る小早川氏。たまには早く仕事を終えた時はお台場まで足を延ばして映画でデート…なんていうのも洒落ているかも知れない。今年、3月にコンセッションを…そしてGWにはチケットブースをリニューアルして、より快適な空間作りを目指していく『シネマメディアージュ』。天気の良い日には公園を散策しながら、そして夜は満天の星空とレインボーブリッジの夜景を楽しみながらじっくりと映画の世界に浸ってみるのもココお台場にある映画館だから出来ることなのだ。(取材:2002年1月) |