縦16m×横22mのビル5〜6階分に相当する巨大なスクリーンに映し出される映像は通常劇場公開されている作品とは違い視界いっぱいに広がる映像の中に入り込んでしまったかの様な疑似体験ができるアイマックスシアター。作品によっては劇場入口で3Dメガネを配布して立体的な映像を楽しむことが可能だ。2002年4月25日にオープンした、『メルシャン品川アイマックスシアター』はそれまで遊園地などのアミューズメント施設でしか体験できなかった映像旅行が出来ると期待が寄せられた。

“品川プリンスホテル”内に新設されたエグゼクティブ・タワーの6階にあるコチラの劇場は“プリンスホテル”と冠スポンサーとして、ワインメーカーで知られる“メルシャン”が運営。次々と素晴しい作品を送り続けている。アイマックスとは最大限の映像=マキシマム・イメージという意味を持ち、その歴史は1970年に開催された大阪万博にまでさかのぼる。元々、娯楽性よりも学術性の方が強かったのだが、リアルな立体映像の迫力の進化によって今では娯楽性が優先されてきている。「初めてご覧になられた方は、こんなに凄い映像があるのだと、皆さん一様に驚かれていきます。」と語るのは企画部の笹本猛氏。


「通常の2D作品でも充分、迫力のある大きさですから、3Dの立体映像ともなると飛び出してくる恐竜から思わず体を避けてしまうほどです。これは、一度体験していただくと病みつきになってしまいます。」という言葉通り夏に公開されていた“T-REX”はティラノサウルスの迫ってくる映像に何度も驚かされてしまう。

そんな『メルシャン品川アイマックスシアター』ではホテルならではのサービスも行っている。ホテルを利用する毎年5%の5万人前後が修学旅行生徒ということで、生徒が東京観光される当日の朝、『アイマックス』でオリジナルで製作された“東京新名所”と銘打った映画を上映しているという。「生徒の皆さんは、これを参考にして都内へ出かけて行く訳で、おかげさまで非常に好評なサービスです」その他のサービスとして都内プリンスホテルに宿泊されている方は200円割引にて利用出来る。1作品が中編クラスの上映時間だけに1日4作品前後、上映しているコチラでは料金も通常料金に対して“ダブルチケット”というものも用意されており、お得な料金(1本あたり200〜300円引き)で2作品観る事が可能だ。


壁面をガラスで覆い尽くされた円柱系のエグゼクティブタワー。夜になるとライトアップされたその姿はファンタジックな雰囲気を醸し出している。一歩ロビーに入ると、ガラスの壁面から昼間は充分な自然光が取り入れられ、夜になると眼下にライトアップされたイルミネーションを見る事が出来る。場内の座席にはカップホルダーが設置されているので、カウンター式のお洒落なバーでソフトドリンクを購入して場内に持ち込むのも可能だ。ただし、あまりの迫力ある映像にドリンクを思わずこぼさないよう注意。座席は体にフィットするよう設計されており、まるで飛行機のファーストクラスに座っている様だ。場内はスクリーンを囲むスタジアム形式。先述した通り巨大なスクリーンに映し出される映像は70mm映画の約3倍という最大のフィルムを使用しているだけにきめ細かいリアルな映像を堪能できるのだ。宇宙空間から海の神秘的な世界に至るまで紹介してきたアイマックス。今後も体験したことのない世界を送り出してくれるだろう。(取材:2001年8月)


【座席】 273席 【音響】 6チャンネル・デジタルサウンド・システム

【住所】東京都港区高輪4-10-30
※2007年3月31日を持ちまして閉館いたしました。現在、『品川プリンスシネマ』シアターZEROにて運営中。

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