東京のアミューズメントスポットとして、多くの人々が訪れる“豊島園”。都内にある遊園地として古くから親しまれている場所である。数多くのアトラクションから大型屋外プールを有する緑豊かな遊園地のある街に2004年7月…都内最大級のシネマコンプレックスがオープンした。それが『ユナイテッド・シネマとしまえん』である。従来の商業施設と併設されたシネコンのイメージを一新させる単体の映画上映施設ということでオープンから注目を集めていた。 |
自然光が充分に取り入れられた1階の開放的なロビーには多くのファミリーやカップル、年輩のグループが集いおしゃべりに興じているといったシネコンには見られない光景が広がっている。建物全てが単独の劇場だからこそ出来る自由な設計デザインと多岐に渡ったサービスの提供が実現したのだ。1・2階のロビーにはカフェスペースを設け、コンセッションでは女性に人気のナチュラル系ドリンクやスパークリングワインを取り揃えている。また、“31(サーティワン)アイスクリーム”のショップが併設されているのが特長だ。「商業施設が無い分、映画館をサロンのように使ってもらえるように、リラックスできる設計デザインを弊社の建築チームが限られた予算の中から最高のモノを生み出しました」エントランスを入ると目に飛び込んで来る3階分まで吹き抜けのスペース。 |
明るくナチュラルな雰囲気の1階チケットボックスの前にはシネコン初、企業向けの多目的スペースが常設されている。「映画館というのは実は、お客様がセグメント分けされた場所なのです。企業側に取ってもターゲット層に対してプロモーションを展開し易いのです」確かにレディースデーは女性がメインとなるからサンプリング等は非常に喜ばれるというワケだ。 |
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場内は傾斜の強いスタジアム形式を採用。スクリーンの高さが程良い視線に位置しているため、どこの席からでも観賞し易い設計となっている。上映作品はメジャー作品の他に全国ユナイテッド・シネマでしか観られないUIP作品の独占上映が待機している。また、名物となっているオールナイト特集上映では新作の公開にちなんだ関連作品の4本立てを毎週土曜日に行っている等シネコンの枠に捕われない新しい企画を次々と送り出している。また、レイトショーの他に深夜から始まるスーパーレイトショーも実施。両方共に1200円で観賞出来るのだから深夜に映画の梯子…なんていうのも新しい映画の観方となるかも知れない。更に1000円の入会金で次回の映画が1本無料になる他、入場券の200円割引や映画料金の10%がポイント還元され1000ポイントで1本無料になるポイントカードも充実している。また子供を対象とした会員制度キッズクラブを設ける等幅広い年齢層に映画を楽しんでもらう施策を展開している。「まだ1年経っていないので、とにかく劇場の認知をして頂くために様々なキャンペーンを行っていきます。まずはお客様に映画館に親しんでもらうことが第1ステップです。」と語る藤江氏。これからも意欲的に新しい試みを行う劇場から目を離す事が出来ない。(取材:2005年2月) |