新宿駅南口にある“タカシマヤタイムズスクエア”。新宿に新しい波を引き起こしたこの大型商業施設には平日は仕事帰りのOL、休日ともなると女性のグループからファミリーに至るまで幅広い年齢層のお客で賑わっている。そんな“タカシマヤタイムズスクエア”に2002年4月、ミニシアターと呼ぶには余りにも大きなスクリーンを有する『テアトルタイムズスクエア』がオープン。かつては“東京アイマックスシアター”として3D映像を中心とした作品を上映するアミューズメントシアターだった施設をリニューアル“東京テアトル株式会社”の運営する15番目の映画館として生まれ変わった。オープニングを飾った“ドッグスター”のような邦画から洋画までジャンルを問わず幅広い作品群をセレクトし、わずか1年足らずで数多くの固定ファンを獲得している。

劇場のある12階にはオシャレなレストランやカフェなどが並び、女性のグループが買い物帰りにお気に入りのお店でランチを楽しむ光景が見られる。大理石の壁面が上品なエントランス。そして入り口の向こうに広がる落ち着いたロビー。とても外観からは場内の大きさは想像が出来ないほどだ。売店もこじんまりとまとまっていながら関連商品はできるだけ置くように心掛けているほど充実した品数を揃える。


ショーケースにはパンフレットや書籍など品良くディスプレイされているのが特徴的だ。外壁はぐるりとガラス面で覆われており、さらに隣接する美容室ともガラスで仕切られているおかげで、広々とした開放的な空間を生み出している。外から差し込む自然光がタップリと取り入れられるおかげで昼は明るく夜は幻想的なムードに包まれる劇場だ。客層としては女性がメインで年齢層も20代から50代と幅広い。「今までミニシアターで映画を観てきたお客様は、まず場内に入ってスクリーンの大きさに驚かれるようですね。観終わったお客様から音や映像に関して“良かった”というお褒めの言葉も頂きます。そんなお客様がお友達にも宣伝していただいて…それがうれしかったですね。」と語ってくれた支配人の佐藤正樹氏の言葉通り、設備に関してはシネコンには引けを取らないと豪語するほど最新の装置を備えており、中でも世界最高水準と称されている“JBL3ウェイシステム”のスピーカーを採用。


ここに来れば最高の音響を体感できるであろう。そして何と言っても壁面いっぱいに広がるラージスクリーンに繰り広げられる迫力のある映像の世界。最近公開された“アマデウスディレクターズカット版”のような音響で圧倒する作品や“WATARIDORI”などにょうな壮大なドラマほどコチラで観るに相応しい威力を発揮する。一方、小品ながらも…「デパート内にあるからでしょうか、“マーサの幸せレシピ”など女性向けの作品もコンスタントに高い数字を出せています。上映作品としては、大人の鑑賞に堪えられるドラマを中心にプログラムを組んでいきたいですね」と、ジャンルに固執することなく幅広い上質なドラマを選ばれているようだ。

コチラのサービスとしては毎週水曜日が男女共に1000円で鑑賞が可能。また作品によっては施設内のお店とタイアップしてオリジナルの特典を組まれている。“マーサの幸せレシピ”公開時にはレストラン街にある28店舗全店で特別メニューを用意してもらったり“キッシングジェシカ”では地下にあるチーズケーキのお店でオリジナルのケーキを作ってもらったりとコチラでしか味わえないサービスが用意されているのがポイントだ。

「新宿は昔から独特の文化を発信している街でしたから南口の再開発によってまた新しい波というものが生まれてくると思います。そこから渋谷とは違った情報が発信できるのではないでしょうか。」と言われる通り、最近の新宿はサブカルチャー色が強くなってきている。それだけに「今後の課題としてはそのポジショニングを確立するために認知度を上げていくこと…“新しい新宿という文化”を作り出して行くためにもまだまだがんばりますよ。」と最後に語る佐藤氏。これからの『大人が満足できる作品』のラインアップに注目していきたい。(取材:2003年4月)







【座席】344席 【音響】SRD-EX・DTS・SDDS

【住所】東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 タカシマヤタイムズスクエア12階 2009年8月30日を持ちまして閉館いたしました。

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