多くの若者たちで賑わう大阪ミナミ─御堂筋の西側に位置するアメリカ村は雑貨、古着ショップ、カフェなどが建ち並ぶ若者文化の中心地だ。個性的な独自のスタイルを求めてやって来る若者たちの熱気は、そのまま街の新しい文化を形成していく。街を歩くとペインティングアートを施された建物や、黒田征太郎氏の壁画があるビル、中には屋上に自由の女神があるビルなど街全体がアートと化している。そして週末ともなると様々なイベントやパフォーマンスが行われる三角公園。その近くにある壁面がガラス張りの複合ビル“BIG STEP”の中に2つのスクリーンを有する『パラダイススクエア』がある。以前は“パラダイスシネマ”というミニシアターだったが平成14年6月に運営が松竹に変わり松竹洋画系のロードショウ作品や単館系の作品を上映している。


お客様の層としても実に幅広く休日は若いカップル、平日は年輩の女性グループの姿が見受けられる。「作品としてはジャンルを問わず面白い作品をどんどん提供して行きたい」と語る樋口哲也支配人の言葉通り、コチラでは国籍ジャンルを越えた作品を観る事ができる。“たそがれ清兵衛”“バイオハザード”“ブルークラッシュ”等のヒット作品からも判るように来場者の求めている作品も多様化している。「小さい劇場ですから、まだ認知されていない部分があります。これからの課題としては知名度を上げて行く事ですね。そのためには、エンターテイメント性のある良質の作品を取り上げていくつもりです。」

目にも鮮やかなレッドを基調とした『スクエア1』、ブルーグリーンの入口がポップな『スクエア2』どちらもカラフルな色調で観客を楽しませてくれる。全席カップホルダー付きで場内での飲食は可能。







ワンスロープ式の場内は天井が高くフラッターエコー(2次反射音)の無い吸音性に優れた設計がされており、スクリーンも小さいながら最前列と距離が保たれているのでどこからでも最高の環境で映画を楽しむ事ができる。

また、サービスとして毎週水曜日のレディースデー、1日の映画の日、シニアサービス(1000円)の他にビルの地下駐車場(30分300円)が受付で駐車券を提示すれば半額になるので車で来場された方は忘れずに利用していただきたい。

エレベーター(やはりガラスで覆われた展望エレベーター)で4階に上がると『パラダイススクエア』のエントランスが現れる。全てが女性スタッフで構成されているせいか対応が柔らかい。「とにかく笑顔は絶やさない。これは常に心掛けています。来ていただいたお客様に気持ち良く帰っていただく事が一番大切な事だと思っています。」と言われる通りスタッフの笑顔が印象に残る。

場内がレッドとブルーグリーンで彩られているのに対しロビーは明るいグリーンが基調。壁面をガラスで覆われているので日中は自然光が充分に取り入れられ、夜にはアメリカ村のカラフルな夜景が臨める開放的な空間だ。一番奥にある喫煙所からはアメリカ村が見渡す事が可能で上映までの待ち時間も快適に過ごせる。売店ではポップコーンとMサイズのドリンクセット(300円)が人気のメニュー、ポップな場内がポップコーンによく似合う。“アメリカ村”にある映画館らしい空間と接客…ハードだけではないハートの満足感を味わえる劇場がココに在るのだ。(取材:2003年7月)

【座席】『スクエア1』110席/『スクエア2』107席 
【音響】SRD・SRD-EX(『スクエア2』のみ)

【住所】大阪府大阪市中央区西心斎橋1-6-14 BIG STEP4階 
※2006年3月31日を持ちまして閉館いたしました。

  





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