阪急梅田駅から歩いて7分、地下鉄御堂筋線の中津駅から10分。新御堂筋沿いに建つ梅田ロフト地下1階にある二つのスクリーンを有する『テアトル梅田』は関西にイチ早くミニシアター文化の灯をともした劇場である。梅田駅周辺の喧騒から離れたこの場所はお洒落なカフェやショップが建ち並び、夜になると街路樹にライトが点灯、そのファンタスティックな雰囲気に惹かれて深夜遅くまで多くの若者たちが集まる。1990年にオープンして以来、それまで掛かる事が少なかった小さな名作を観る事が出来るということで子供からシニア層に至るまで幅広い年齢層に支持され続けている。とは言うものの、場所柄、情報に対して敏感な若者が中心となっている劇場だけに、訪れるファンが劇場に求めている期待も大きい。また、ミニシアターと言えば女性客がメインなのだがコチラでは男女の比率は殆ど変わらないのも特徴的だ。 常にお客様が求める趣味指向に合わせた良質な作品を選び、提供して来た『テアトル梅田』。国籍やジャンルに囚われない姿勢を現在に至るまで貫き通している。ヒット作にしても動員数1位の“アメリ”を筆頭に“トレインスポッティング”“ピンポン”“ムトゥ踊るマハラジャ”等々…まさに多種多様。通常のロードショウに加え、モーニングショウやレイトショウにおいてはひと味違った作品を上映する等、今や関西ミニシアターのオピニオンリーダーとしての地位を確立している。 |
「常にお客様の立場と目線に立って劇場作りをしていきたい」という瀧川支配人の言葉通り、作品の選定には現在の映画ファンが求めているモノを第一に考え、時代を的確に捉えた問題作・話題作を提供し続けている。エッジの効いた梅田ロフトの外観に溶け込んだ劇場のエントランスはニューヨークの前衛的なアートを感じさせる。それだけでも劇場への期待感が高まりスノビッシュで力強さが伝わって来る。メタルチックな外観とは一転して劇場内は木の温もりが感じられるデザインが施されておりニューヨークからニューオリンズへスライドしたかの様な雰囲気。ロビー正面のチケットカウンター兼ショップにはパンフレット、サントラCDから関連書籍、Tシャツなどのグッズが豊富に取り揃えられている。 |
ロビー右手にはカウンターとテーブル席が設置されたカフェがあり、開場までの待ち時間に軽食とドリンクを楽しむ事が可能だ。シアターを囲むようにしてグルリと存在するロビーはゆとりのある空間を演出。お客様が快適に過ごせるように…を第一に考えられた設計となっている。サービスとして水曜日のレディースデー以外に火曜日はメンズデーとして男性が1000円で鑑賞が可能だ。他にもひざ掛けの無料貸し出し、大きな手荷物のお預かりサービス等も実施している。 チケットカウンターを挟んで右手にある『テアトル1』はグレーを基調としており、シックな雰囲気を醸し出している。一方、左手にある『テアトル2』は比較的ロビーの色調に近い暖色系が基調となっており、共に全席カップホルダー付き…勿論、常識範囲内で場内での飲食は可能だ。また、傾斜と段差が適度についているおかげで場内どの位置からでも観易く、映画館にウルサイ映画ファンの間でも評判が高い劇場である。オープン当時、数える程しかなかったミニシアターもキタを中心に増え続け、現在では関東と変わらない作品数を観る事が可能となった大阪…その足がけとなったコチラの劇場には数多くの『テアトル梅田ファン』が存在する。“テアトル梅田でやるから観に来た”というファンと“何年経っても変わらない感動を送り続けたい”という劇場の関係が関西の映画館文化を発展させて来た事は間違いない。(取材:2003年7月) 【座席】『テアトル1』96席/『テアトル2』60席 【住所】大阪府大阪市北区茶屋町16-7 梅田ロフトB1 本ホームページに掲載されている写真・内容の無断転用はお断りいたします。(C)Minatomachi Cinema Street |