ところが…「正直言って名画座の時とミニシアターではプログラムを組むやり方が全く違うんですよ。名画座はフラット(作品の上映権を買い取りプログラムは劇場側で決める事が出来る)であったのに対してロードショウ作品の場合は配給会社との取り決めで劇場の自由には出来ないという制約があったりして…全く名画座時代の知識は役に立ちませんでした」と語る山本支配人の言葉通り歩合制の新作は一日の上映時間(スケジュール)も配給会社からの要望(最終回の時間は何時までといった)があるなど、かなり細かい制限が付けられる。「そのためプログラムに関しては専門家を入れて番組構成をしています」
コチラの上映作品はジャンルとして特に固定されておらず製作国も千差万別、共通しているのは女性が観易い映画をセレクトしている。「まだオープンして半年も満たないですからジャンルを決めるには早過ぎると、思っています。むしろ良質の作品を掛けていって、まず場所を認知していただくことが今一番の課題ですね。とにかく女性の方に知っていただきたい…」将来的には女性映画の専門館にしていきたいと言われるように劇場の雰囲気は明るく気品ある柔らかさに溢れている。
エレベーターを降りると目の前にロビーが広がり、通りに面した全面のガラスからは充分な自然光が射し込んでいる。むきだしのコンクリートの柱は透明アクリル版をあしらったチラシディスプレイとなっており、ロビーに設置されているイスやテーブルはカッシーナなどのデザイナーズブランドを使用している。
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女性用トイレも男性用に比べ、充分なスペースを確保するなど女性を意識した設計が施されている。場内は88席という小規模ながらも天井が高くゆとりがあり、傾斜と感覚が充分に取られた座席は観易さの点では文句がない。スクリーンも高い位置に設定されており前列の頭が邪魔になる事は無く、居心地の良い空間を実現させている。「新宿はまだまだミニシアターが少ないですから、定着していけば後発の劇場ですが他所には負けない自信がありますよ」と語ってくれた山本支配人。これからサービスや特集上映等も検討していく予定だという。確かに、新宿の裏通りに位置するコチラの劇場は仕事帰りにぶらりと立ち寄りたくなるプライベートな隠れ処的な映画館となるだろう。(取材:2003年7月)
【座席】84席 【音響】DS・SR・SRD・SRD-EX
【住所】東京都新宿区新宿3丁目35-13 SHOWAKAN-BLD3階
【電話】03-3352-2471
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