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最初は『伊勢佐木町東映』1館だったのだが、隣接していたゲームセンターが営業をやめたのをきっかけに、そこの場所に『伊勢佐木町東映2』を造ったのが今から7年ほど前…。本来がゲームセンターだった場所に映画館を造るとなるとスペース的に映写機を置く場所がない、ということで採用されたのがビデオプロジェクターの映画館。これならば遠隔操作によって映画の上映が可能という訳だ。スタジアム形式で、客席数350席以上の『伊勢佐木町東映』は東映邦画系の直営館で、最近のヒット作として記憶に新しい“バトルロワイヤル”以上にアニメの動員数が多い程…春・夏休みには東映アニメフェアで多くの子供や家族連れで賑わう。映画を観た帰りに商店街で買い物をしていく夫婦やグループで来場されるお客様が多く見られる。また、古くからこの街に住み親しまれている年輩の方々が平日の昼間にブラリと立ち寄る“憩いの場”でもあるのだ。音響・スクリーンの大きさ共に大劇場の風格を持つ『伊勢佐木町東映』に寄り添うようにあるのが客席数37席─日本で7番目に小さい劇場『伊勢佐木町東映2』(自称1番目だが、もっと小さい劇場が6館もあるのだから驚く)。
    
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