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平成20年1月のリニューアル時に昭和町にあったミニシアター『シネマモード』を地下へ移設し、『スカラ座』改め2つのミニシアターとしてオープンしている。現在、昭和町にあった劇場(旧『シネマモード』)は、多目的スペースの劇場『シネマモードアネックス』として、様々な催しに利用されている。「劇場のコンセプトは女性が一人でもゆっくりとくつろいでいただける…を目指してロビーのデザインや場内環境を整えています」といわれる酒井支配人の言葉通り、劇場のロビーは開放感溢れるフリースペースとして、自由にくつろげる空間となっている。チケットボックスで入場券を購入して、横にある階段を上がると、大理石の壁とエナメル質の白い床が高級感を漂わせている受付とカウンターの休憩スペースがある。受付横の階段を上がると正面にコンセッションを挟んで福山市内最大級の大劇場『大黒座』と『ミラノ座』が向かい合っている。“70ミリ”の文字が光る大劇場『大黒座』は、ハリウッドの超大作が目白押しだった昭和40年代、70mm上映劇場として数多くの名作を送り続けていた。「今でも70mmの上映は可能なのですが、残念な事にフィルムが残されていないのですよ」 |
一度、記念イベントの際に70mm作品の上映をしてはどうか?という話しも持ち上がり、配給会社に問い合わせてみたところ、どこもフィルムが残されておらず、断念せざるを得なかったという。現在『大黒座』に残されている映写機をこまめにメンテナンスされているのが劇場に古くから勤めている70歳のベテラン映写技師。東芝の映写機を必要な部品をあちこちからカキ集めて来て映写機を作ってしまう技師の方が、最高の状態で映像をスクリーンに投影しているのだ。いつでも最高の状態に保たれている年期の入った映写機に70mmフィルムが掛かり大スクリーンに投影される日を願っているファンも少なくない。 |