ロープウェイ山麓口から裏路地を渡り歩くこと10分足らず…「御袖天満宮」が民家の間にひっそりと佇んでいる。菅原道真が藤原時平の讒言によって左遷され大宰府へ船で向かう際、尾道に上陸して休憩していると、土地の人々が麦飯と酒を供した。道真はこれに感謝して、自らの着物の袖を破り、自分の姿を描いて与えたとされている。道真が天神として祀られるようになると、当地でも延久年間(1069年 〜 1074年)、大山寺境内に道真の袖を神体として祠を建立し、後に「御袖天満宮(みそでてんまんぐう)」と呼ばれるようになった。大山寺は別当寺とされ、天神坊とも呼ばれた。明治時代に郷社に列格した。昭和48年に火災で社殿を焼失し、現在の本殿は昭和58年に再建されている。二人が転げ落ちた石段は、約5メートルの1枚石が55段使われており、最後の1段だけわざと石を継いである。
毎年、7月中旬(7月25日の直前の金曜日から日曜日までの3日間)は「天神祭」が開催される。初日は「御神輿行幸祭」と「御神輿巡行」、2日目は「勧学祭」および「福引き」や「大道芸」といった地域の人が楽しめるイベント、3日目は「御神輿還奉祭」、「御神輿巡行」が行われ、最後に「勇壮五十五段大神輿還幸の儀」と呼ばれる55段の石段を御輿が登ったり降りたりする行事が執り行われている。
ちなみに映画のラストシーンで一夫を演じた尾美としのりが自分の身体(男の身体)に戻った喜びを体現するために立ち小便をするが、これはあくまでも映画の中だけで許された事である。
御袖天満宮
■広島県尾道市長江1丁目11-16
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