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 昔、どこの映画館にも掛けられていた絵看板。厚手の絵の具で描かれた映画のワンシーンに心ときめかせた人々は多いはず。大きな映画館は勿論、場末にある小さな映画館ですらそれなりの大きさの看板が掲げられていた。看板絵は、地元の看板屋で描かれていたのが殆どだったが、独自に看板絵の工房を持っている映画館もあった。絵師にも得意不得意があったのだろう…女優は似ているのに男優となると目や鼻の位置が微妙だったり、フランス映画なのに日本人にしか見えなかったり…。それはそれで、実に楽しく映画館に入らなくてもついつい看板を見上げてしまう。そんな、絵看板はいつしか経費節減のため、映画館の軒先から消え去り、大判プリントのリアルな看板に変わってしまった。ミニシアターには、看板すら掲げていないため、お年寄りは喫茶店と間違える始末。ふと気づけば、街にはいつしか看板絵というアートは見当たらなくなってしまったではないか。

 『日本映画劇場』は、あの頃の看板絵をホームページ上で再現しようという趣旨に賛同したイラストレーターの手によって、ここに実現しました。彼女独特の筆タッチで甦る数々の名画を是非、お楽しみください。ギャラリーページでは、本サイトで掲載いたしました看板絵をご覧いただけます。上の番号をクリックしてください。






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