三池崇史監督が迫力ある映像で見事リメイクを果たした東映時代劇『十三人の刺客』、阪本順治監督・香取慎吾主演による『座頭市 THE LAST』など数多くの時代劇が撮影された日本初本格的なオープンセットが山形県庄内地方にある『庄内映画村オープンセット』だ。映画の撮影のために月山山麓に位置する88ヘクタール(26万4千坪/東京ドーム20個分)という広大な敷地に建てられたセットを、そのまま保存して一般公開を始めたのは2009年9月12日のこと。勿論、現在も数々の映画やTVドラマ等の撮影が行われており、見学中に撮影風景に出くわす事もある。
オープンセットは大きく「漁村エリア」「農村エリア」「宿場町エリア」「山間集落エリア」という4つのエリアに分けられている。『十三人の刺客』のクライマックスで稲垣吾郎演じる暴君・松平斉韶を待ち伏せした宿場町がまさに「宿場町エリア」。役所広司演じる島田新左衛門率いる侍たちが罠を仕掛け壮絶な戦いを繰り広げたシーンは記憶に新しいと思う。山の緩斜面に枝分かれする二本の通りには江戸時代の宿場町を再現するために旅館(旅籠と言った方が正しいか)や飯屋などが道の両側に建ち並んでいる。入口付近に立つ火の見櫓はエリアのシンボリックなモニュメントだ。
そしてセットの反対側にある「農村エリア」には広大な田んぼが広がっており、夏を過ぎる頃には収穫間近な稲穂が青々と実る。これは勿論、食用ではなくあくまでも撮影のためだけに毎年、田植えを行っており、田んぼのあちこちにポツポツと建つ農民の家と四季折々で変わる自然に日本の原風景を感じる事が出来る。
|