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「元々、学生の頃から監督志望だったのだが、脚本がメインになってしまった」と、いう柏原寛司氏。どうしても、1980年代の日本テレビ系列のハードボイルドアクションに熱狂していた年代のファンからすると『探偵物語』や『あぶない刑事』の脚本家…というイメージが強い。そんな柏原氏が念願の監督作『猫の息子』を手掛け、ビデオ作品『練鑑ブラザーズ ゲッターマネー!』以来、7年ぶりとなる監督作品『STRAIGHT TO HEAVEN〜天国へまっしぐら〜』を発表した。 本作は柏原氏が自ら立ち上げた制作会社“KOM”の第一作目でもある。“KOM”は、柏原氏と脚本家の大川俊道氏、そして映画監督の室賀厚の3人の頭文字から取ったもので、企画から製作までをワンストップで行う事を目的とした会社である。「この『STRAIGHT TO HEAVEN 〜天国へまっしぐら〜』は、一種の自主映画で、製作費は全て自前だから、『名探偵コナン』で得た映画の印税をつぎ込んでしまった」と苦笑いする傍ら柏原氏が所有する人形町のビル(“KOM”の事務所も入っている)の地下を映画館にしようという計画があるという。「実現すれば、企画から製作、配給…そして上映まで自分出来る訳だから小さくても直営館…東宝と一緒だよね」その方が自分達の作りたいものが作れる…と、いうわけだ。「おかげで今回初めて配給までの仕組みを見る事が出来て勉強になった。次はもっと上手くやれる気がする」と自作への意気込みを語る柏原氏。 「もう、今の時代は“あぶない刑事”のようなダンディズムが香るようなハードボイルドな世界観を描くのが難しくなってきている。」と柏原氏は語る。だからこそ、盟友である片桐竜二や中西良太を誘って『STRAIGHT TO HEAVEN〜天国へまっしぐら〜』を作ろうと思ったのだという。「今の若い俳優には、アウトロー的な精神を持った男を演じられるのが少なくなっている。若いうちは野暮なところがあって次第に“粋”になっていった役者さんを数多く見てきた。だから、こうした昔の仲間たちと手を組んで、テレビでは出来なくなったハードボイルドな作品を作っていきたい」と今後の映画に対する思いを述べてくれた。 1949年 東京都出身 芸術学部在学中、東宝撮影所にアルバイトとして入り、子供向け番組『クレクレタコラ』の脚本と現場(助監督)を経験。その後、1974年には『傷だらけの天使』で脚本家として本格的にデビューを果たし、以降TVドラマを中心に活躍。代表作として『俺たちの勲章』『大都会』『大追跡』『探偵物語』『プロハンター』『西部警察』『あぶない刑事』等、テレビにおけるアクション作品の脚本を手がけ、1997年に藤竜也、宇崎竜童主演『猫の息子』で初監督。その後、監督作品としてビデオ作品『ガンブレス〜死ぬにはもってこいの夜〜』(1998年)、『練鑑ブラザーズ ゲッタマネー!』(2001年)、『STRAIGHT TO HEAVEN〜天国へまっしぐら〜』(2008年)を手掛ける。また映画の脚本作品としては、『あぶない刑事』シリーズ、『平成ゴジラ』シリーズ、『ルパン三世』シリーズの執筆や『名探偵コナン』劇場版の製作にも携わるようになった。 |
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