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平成16年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の閉会式において観客賞と発表された瞬間、涙を流しながら登壇した高橋玄監督。受賞作『CHARON』の監督である高橋玄氏は「国際市場が前提だからこそ、日本の有名性に束縛されることがない新鮮な配役で、どの国の観客が観ても共感できる物語を語ることができると考えています」と、提唱し設立した映画製作会社グランカフェ・ピクチャーズの代表であり、「映画は、フィルムで撮影されてこそ映画」という持論を貫き続け、ビデオではないフィルムによる撮影にこだわっている。「最近の日本のように、演出意図ではなく、単に予算の制約という理由だけでビデオによる撮影や上映を行っていては、国際的には映画未開国のようなもの…。“映画”と名乗る以上、フィルムによる描写の可能性に立ち戻った映画作りを続けるつもりです」と映画にかける思いを熱く語る。 そうした共通の思いを持ったプロデューサー、監督、脚本家、俳優などによって2003年に結成されたグランカフェ・ピクチャーズの第1回作品『CHARON』が国内に留まらず海外においても高い評価を得られている。「この作品では、我孫子市や柏市民、そして市行政までが全面的に協力してくれました。低予算での国際配給映画が地元で誕生するという未知への興味と理解が地元の皆さんから得られた結果だと思います」この体験からも、観客は未知のものが観たいのであって、有名芸能人の顔を見たがっているのは映画の製作者側なのだと再確認したという高橋監督。CGやアクション、有名人を使わず、映画の原点に立ち返った俳優と演出とカメラだけで描いた作品『CHARON』に続き次回公開予定の『ポチの告白』もまた衝撃的な内容ながらも誰もが楽しめる映画となっている。 1965年 東京・新宿生まれ。 祖父は東映動画の創立者のひとりであり、日本アニメーション映画の開祖的監督で、宮崎駿の師匠でもある藪下泰次(『白蛇伝』『安寿と厨子王丸』『西遊記』など)。漫画家を志し、高校在学中に講談社ちばてつや賞入賞。以後、柴門ふみ、弘兼憲史に師事、アシスタントを務め、1985年、映画界に転向。東映東京撮影所の装飾助手として松田優作監督・主演『ア・ホ−マンス』の現場からキャリアをスタートさせる。代表作『嵐の季節』『CHARON』、公開待機中の最新作『ポチの告白』。 【オフィシャルサイト】http://www.grandcafepictures.com |
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