永井豪の名作コミックの映画版『あばしり一家 THE MOVIE』で映画デビュー作にしていきなり主役に抜擢された外岡えりか。“アイドリング!!!”で絶大な人気を誇る彼女は、続く映画主演作第二弾『Re:Play-Girlsリプレイガールズ』では親友の先導でクラス全員からイジメにあい自殺を考える女の子…という前作とはガラリと変わったシリアスで難しい役に挑んでいる。「前作から間を置かずにいただいたお話しで、ちょうど映画の面白さを実感していた矢先だったので凄く嬉しかったです。」と出演のオファーがあった当時を振り返る。前作『あばしり一家 THE MOVIE』も新作『Re:Play-Girlsリプレイガールズ』も刀を使った殺陣(たて)が印象的だったが「元々スポーツが好きだったのでアクションシーンで苦労したのは無かったのですが…」と、かなりハードな立ち回りも難なくこなしたと語る。「ただ…『あばしり一家 THE MOVIE』で殺陣の稽古をつけてもらったので、むしろ今回の撮影に入った時に体が覚えていて…ミチという役は刀なんか持った事がない普通の高校生ですから(笑)、刀の持ち方も様になり過ぎないように注意されました」他にも転倒シーンで見事な受け身を披露してしまいアクション監督からもっと弱々しく転ぶようにと、逆の指導を受けたという。

 『Re:Play-Girlsリプレイガールズ』は高校生の自殺という彼女にとって身近な世代の問題を取り上げている。それだけに今回のテーマについて外岡えりか自身どのような心境でこの役に臨んだのか?「ニュースで自分と同世代の子たちが自殺したと聴くたびに心が痛んでいたので、最初に台本を頂いた時は色々考えてしまいました。」と表情をこわばらせる。「やっぱり生きていく中で楽しい事ばかりじゃないと思うので、例え光が見えなくても“それが永遠に続くわけじゃないんだよ”と伝わったらイイなと思いました。」

 彼女が演じるミチがクラスでイジメにあう最初のシーン。教室に入ると黒板いっぱいに悪口が書かれているのを見た時、演技とは言え胸が張り裂けそうになったという。「映画のワンシーンって分かっていながらもドキッとしましたね。こんな事された人の気持ちって、どんなだろう…と、想像しただけで涙が出そうになりました。」そして、クラス全員から携帯小説を書く夢を踏みにじられたミチは、夜中の公園で書き上げていた小説を携帯から削除する。「自分の夢をこうした形で壊される…なんてあまりにも切ない」と語る彼女の言葉は、正に夢に向かって頑張っているリアルな外岡えりかの心の声だと思う。「挫折が悪い事だと全く思わないんですよ。立ち止まっても良いと思うし…もっと言うなら悩んで苦しんだ分、また更に大きな一歩が踏み出せるはずなので、挫折を大事にして欲しいです。」どんな些細な事でも頑張れそうなサインを見逃さないで…と語る外岡は「何でも良いんです。美味しいもの食べたから、もう一回頑張ってみようかな?とか。そういった楽しみの見つけ方も大事だと思います。」と続けた。

 その後、自殺を決意したミチは同じく自殺しようと考えているアリサという少女に出会い、自分の気持ちを話すシーンが出てくる。「このシーンを演じながら、誰か手を差し伸べてくれる人がいたら、もっと自殺って減るのでは…と感じました。」と彼女の言葉通り、このシーンは自殺しようとしていた二人の気持ちに変化の兆しが訪れる映画の中のターニングポイントと言っても良いだろう。『あばしり一家 THE MOVIE』から、わずか数ヶ月で女優として一回り大きくなったように感じる外岡えりか。今回の撮影で得たものが大きかったのではないだろうか?現在の外岡えりかに改めて女優というものに対する思いを尋ねてみた。「今回ミチという役をいただいて発見したのですが、今まで自分の中に無いだろうと思っていた感情が出てきて…役から吸収するという体験が出来たのは嬉しかったです。」それまでは、役に感情を吹き込む事を演技だと思っていた外岡だが、ミチから教えられた事が多々あったと撮影当時を振り返る。「私は自殺しようと思った事が無いのですが、ミチを通じてそういう気持ちがどんな形で湧き上がってくるのか…を体感出来ました。」彼女は演じていくうちに“ミチだったらこんな言い方しないだろうな”と思うようになり監督に相談する事もあったという。

 自殺をテーマにした作品の中で生きる事の大切さを改めて再認識した外岡えりかは最後に、悩みを抱えて生きている全ての人々に向けて、こんなメッセージを添えてくれた。「誰でも人に見せない色々な悩みを持っていると思います。悩みの大小に関わらず、一歩進む勇気をこの映画で見つけてもらえたら嬉しいです。」
取材:平成22年8月1日(日)初日舞台挨拶時 ブリリア ショートショート シアター控え室にて


外岡えりか/Erica Tonooka 1991年6月11日 神奈川県出身
2006年デビュー。フジテレビ系バラエティ「アイドリング!!!」で絶大の人気を誇り、同グループの中心メンバーとして現在も「アイドリング!!!日記」ほかバラエティ番組に多数出演、コンスタントにライブ、舞台等もこなす。また、TBSの情報バラエティ番組「ランク王国」では。2009年に発売された3rdDVD「トノトノ Smile」は月刊アイドルDVD売上堂々 の1位を獲得する。2009年に公開された初主演映画『あばしり一家 THE MOVIE』に続き、本作『Re:Play-Girls リプレイガールズ』では主人公ミチを演技力のみならず高い身体能力を活かしたアクションで演じている。ドラマ「鉄道むすめ」や舞台「桃色書店へようこそ」と幅広く活躍し、現在は連続テレビドラマ「明日の光をつかめ」にレギュラー出演している。また、2011年カレンダーが9月末よりトライエックスから発売予定。

外岡えりかオフィシャルサイト http://www.box-corporation.com/tonooka/

【外岡えりか出演作品】

平成21年(2009)
あばしり一家 THE MOVIE

平成22年(2010)
Re:Play-Girls
 リプレイガールズ




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