まさに佐津川愛美の魅力がギュッと凝縮された特集上映だが、彼女にショートフィルムと長編映画の違いについて訊ねてみた。「特に長編だから短編だから…と演技を変える事はしないですね。ただ、短い時間の中で、どんな表現(演技)をすれば楽しんでもらえるか?というのは意識しています。」という彼女だが、初めてショートフィルムを意識したという最新作『ミステルロココ』は、ロリータ衣装に身を包んだ彼女のプロモーションビデオのようでもあり、かなり贅沢な要素が詰め込まれている。彼女のお気に入りのシーンは、プロレスラーが大好きな彼氏を取り戻そうとトレーニングをするところ。「撮影の時はワンカットずつ撮っているから気がつかないけど出来上がりを観た時にキレイにつながっていたりすると嬉しくなっちゃうんですよ。」実は、ここに彼女がデビューした頃から変わらない出演した映画に対する深い思い入れがあるのだ。『蝉しぐれ』や『悪夢のエレベーター』のエンディングで流れる回想シーンやフラッシュバックが大好きという佐津川愛美。「それって、自分の力ではどうにも出来ないじゃないですか…そのシーンを選ぶのは監督だったり編集さんだったり。初めて完成した作品を観て“あっ、ここを選んでくれたんだ”っていう瞬間がすごく嬉しいんです」という言葉から、彼女の映画に対する思いが、実は17才の頃から一貫して変わっていない事に気づいた。
「とにかく、いろんな役に挑戦したい」と目を輝かせる佐津川だが、今年になってから今までと違ったイメージのキャラクターを演じた作品が多い。1月に公開された『渋谷』はファッションヘルスで働く主人公の少女を見事に演じてみせた。また、夏から秋にかけて出演作が続けて公開されるのだが、そのトップを切るのが8月7日より全国順次公開されるホラーコメディ『神様ヘルプ!!』だ。秋には、実在するAV女優のノンフィクション『nude』と…今から公開が待ち望まれている。